⽇本海おむすび旅【新潟・佐渡エリア】佐渡市編

新潟市のお次は佐渡市へ!

新潟県には何度も来たことがあるものの、佐渡島へ渡るのは初めて。独特の文化を持っているということなので、とってもワクワクしながら向かいました。

新潟市内にある新潟港からカーフェリーで約2時間半。毛布を借りて寝ていたらあっという間に到着しました。

フェリーって旅感が高まってテンションが上がります

①大迫力!定置網漁船に乗船

佐渡島に到着したのは夜。初日は地元の居酒屋でお食事をいただいた後に早めに就寝です。なぜなら翌早朝から漁船に乗せてもらうから!

朝5時に起きて6時に港へ向かうと、まだ薄暗い中で漁に出る準備をしている漁師さんたちの姿がありました。暖をとるためにドラム缶で炊かれている火が、太陽よりも早く漁船を明るく照らしています。命と向き合う漁師さんからは緊張感と高揚感が伝わってきて、漁船に乗せてもらった瞬間に眠気が吹き飛びました。大船頭が登場して更に現場の空気が引き締まったら、いざ漁へ出発。

少しずつ明るくなっていく海に向けて出港

のぼり始めた朝日の中で仕事する漁師さんが格好良くて惚れ惚れ。海に仕掛けていた大きな大きな網を3隻で呼吸を合わせてあげていきながら魚を一か所に集めていきます。

3隻の船で網を寄せていきます

「今日はどれくらい獲れますかね…」という私のつぶやきに、漁師さんが「海に聞いてみなね」と。どんな魚がどれくらい獲れるかは網をあげてみないと分からないのが定置網の面白いところなんだそう。最後は一気に船に引き揚げます。ビチビチとたくさんの魚が網の中で踊ります。見たことのないような大きなイカも!漁船の端っこでこっそり大興奮していたら大船頭さんが「前の方で見て良いよ」と特等席に招いてくれました。優しい。。

漁師さんのカッコよさと自然の美しさに見惚れます

無事に漁が終わり港へ戻る頃、美しい虹まで現れてくれました。なんだか良いことありそう…なんて思っていたら、どこからともなく良い香りが。ドラム缶の火でさっき獲れたばかりのイカが焼かれているではないですか!「食べて良いですよ」という神のような漁師さんの言葉をいただきましたので、漁船の上でモーニング。イカを手でつまんで七味マヨをつけて「いただきます!」プリップリで甘みのあるイカに、漁船とドラム缶というシチュエーションが最高の調味料に。たまらなく幸せ!

こんな新鮮なイカ焼き初めて

船を降りて市場までご一緒させてもらい、イカをお裾分けいただきました。

「次は漁師さんと呑みたいです!」と伝えて市場を後にしました。定置網も季節によって獲れる魚が全然違うそうなので、また別の季節にもお邪魔したいなぁ。

②『大崎そばの会』のお母さんに学ぶ家庭料理

佐渡島の大崎地区に、行事などで手打ちそばを振る舞うお母さん集団大崎そばの会の皆さんがいらっしゃるとのこと。 郷土食にも詳しい方々ということで、蕎麦とおむすびを一緒に学ばせてもらうことになりました。

到着すると元気で明るいお母さんたちが3人で迎えてくれて、すぐにお料理開始!

漁師さんにお裾分けいただいたイカをお渡して「これで炊き込みごはんができないですかね?」とご相談したところ「イカにご飯を詰めるイカ飯はするけど炊き込みはしたことないね〜」という皆さん。「だから無理」…ではなく「うまくいかんかったらまた来たらいいっちゃ!」という心強い言葉をいただき、味付けなど全員で試行錯誤しながら準備。ガス釜のスイッチをドキドキしながらオンしました。「やったことない料理も何回もやってみて自分の味ができてくるんよ。田舎料理はみんなそう」というお母さんの言葉がすごく響きました。今でこそ“郷土食”と言われレシピがあるものでも、もともとは「どうしたら美味しく食べてもらえるかな」という優しい試行錯誤があったからこそ生まれた味のはず。自然からの恵みと向き合い、美味しくいただく方法を探る料理の楽しさや奥深さに改めて触れました。

一緒にお料理、愛おしい時間

ごはんを炊いている間に蕎麦打ちを見せていただけることに。小さな体で長い麺棒を器用に操って蕎麦生地を均等に薄く広げ、均等な細さに切っていくお母さん。熟練の技を感じます。地元の方にとっても愛されているお蕎麦、楽しみ!

熟練の技が光るそば打ち

お蕎麦を打ち終えたところで、ちょうどごはんが炊けました!良い香りがする。なんだか良い感じな気がする。 お母さんに味見してもらうと…「うみゃあ!」合格をいただきました!やった〜!私が喜んでいたら「失敗したことにしてまたこいっちゃ」って。 嬉しい。美味しくできたけど、失敗ということで。

新鮮なイカの贅沢炊き込みご飯のおむすび、そしてお蕎麦が完成したのでみんなでいただきま〜す!

炊き込みごはんは優しい味付けでイカの旨味がしっかり感じられてとっても美味しい!アクセントに入れた生姜の風味も効いています。 お蕎麦は香りが豊かですごく美味しい。3杯食べちゃいました!

囲炉裏の炭も準備してくださっていたので、おむすびの一部は焼いてみました。香ばしさが加わった味変が最高で、おむすびも3つ食べちゃいました(笑)

お腹パンパン!幸せ太りはしっかり覚悟(゚∀゚)

次は別のお料理も教えてもらうことをお母さんたちと約束して「またね」とお別れしました。

囲炉裏を囲んでみんなで「いただきます!」

③佐渡島の神社仏閣

佐渡島はたくさんの神社仏閣があり、パワースポットとしても注目されています。その中で今回は3箇所を訪れました。

清水寺(せいすいじ)

京都の清水寺(きよみずでら)を模して造られたというお寺。杉に囲まれた石段の参道を進んでいくと突然現れる本堂の『救世殿(ぐぜでん)』。色褪せながらも煌びやかな装飾は、栄華を誇っていた在りし日の情景が思い浮かぶようです。今まで隠されていた遺構に偶然出会ったような、不思議な感覚になる場所でした。

大膳神社

佐渡は、能を大成した世阿弥が配流された島。今でも能は佐渡の人々の暮らしにとって身近な存在なのだとか。国内に現存する能舞台の1/3が佐渡にあり、その中でも最も古い舞台が大膳神社にあります。実際に能が演じられている時にぜひまた伺いたいです。

妙宣寺

新潟県唯一の五重塔があるお寺。江戸時代に、宮大工・茂三右ェ門の親子が2代に渡り30年掛けて建てたそうです。紅葉と共にぜひ楽しんでいただきたい場所です。

④100年後に棚田がある風景を残したい。イケてる"棚田ジジイ"の挑戦。

佐渡島の絶景ポイントとしても知られている岩首昇竜棚田。この景観を守るために活動をしている佐渡棚田協議会の大石惣一郎さんを訪ねました。

「みんな俺のこと"ジジイ"って言うんだよ」

と、会ってすぐに言われた時には「流石に呼べないですよ〜」なんて言ってたのですが、帰り際には「ジジイ、また来ます!」と言っている。 一見ちょい悪親父風の出立ちだけど、すごく懐が深くて目指すビジョンが格好良いからついて行きたくなる。"アニキ"的存在の“ジジイ”。

「100年後にこの景色を残してえなって」と、美しい昇竜棚田を眺めながらジジイはポツリと言いました。棚田はただ“映える”場所じゃない。 先人たちが自然とうまく共生しながら豊かに生きてきた証であるし、土砂崩れを防いだり地下水の保全につながったりもする。 棚田をきちんと次世代に受け継ぐということは、つまりは豊かな大地を次の世代に繋いでいくということ。私たちにできることは何だろう。 本気になって動いているジジイの話を聞いて、棚田は日本人にとって大切な文化なのだと自分ごととして捉えられるようになりました。

ジジイともっと語り合いたいな。次は棚田でおむすびを食べながら。

⑤砂金採り体験ができちゃう『佐渡西三川ゴールドパーク』

佐渡と言えば金山、というイメージがある方も多いはず。ここ、佐渡西三川ゴールドパークでは金のことを学べるだけでなく、なんと砂金採りまでできるそう。 観光地としても大人気のスポットです。ワクワクして中に入ると、展示からお土産までキンキラキン!

展示スペースで金について学んだ後は、お待ちかねの砂金採り。特殊な桶で砂利の中に潜む砂金を探しあてる作業です。砂利よりも金の方が重いという性質を利用して桶の中にすくった砂利を少しずつ捨てて最後に残った砂金を拾っていきます。最初は和気あいあいと始まるのですが、気がついたら全員だんまり。めちゃくちゃ真剣です。金の力ってすごいですね(笑)親子で来ても親の方がハマることもあるんだとか!

平均より多めに探し出してしまったらしいです

探し当てた砂金はキーホルダーやペンダントにして持って帰れるサービスもあります^_^ カバンの中に入れておくと景気良さそう。旅の終わりに最高のお土産ができました!

同じ『新潟県』とはいえ、食べものから文化、言葉まで異なる魅力を持った新潟市と佐渡市。一度の旅でどちらも訪れることができる距離感なので、同時に体感するととっても楽しかったです! 皆さんもぜひ訪れてみてください。