⽇本海おむすび旅【北陸エリア】長浜市編

日本海おむすび旅 北陸編。
次に訪れたのは琵琶湖に面している滋賀県長浜市。 琵琶湖があるからこそ生まれた食文化がとても多い場所です。
敦賀駅から在来線で高月駅まで向かい翌朝に備えて『民宿舟倉』さんに宿泊しました。

①『民宿舟倉』さんで琵琶湖漁の見学

琵琶湖の漁師さんが営んでいる民宿舟倉さんに宿泊。目の前が琵琶湖ビューで夕陽がとっても綺麗に見えます。

前泊の夜ご飯も豪華で美味しかった〜!

翌朝は6時に宿前に集合。お宿を営む松田さん親子の琵琶湖漁を見学させてもらえることに!私たちが乗せていただいた船は湖上タクシー。松田さんたちの漁船の後ろを追いかけていきます。陽が昇り始めた琵琶湖の上を船でいくのは最高に綺麗で気持ちよくて朝から大興奮!

琵琶湖の雄大さと美しさに朝から感動

漁をする場所に到着したら、松田さんたちが前日から仕掛けていた網をあげていきます。さっそくピチピチと湖魚たちが船上に!漁期を外れている魚たちは湖に戻していき、漁期中の魚のみ獲っていきます。

訪問した時期の旬はイワトコナマズ。毎日獲れる訳ではないそうで「今日はいるかな〜?」と心配していたところ…「おー!いたいた!」という声でみんなから歓声が(^^)
何が獲れるか分からないドキドキ感。その日に獲れたもので宿の朝食が変わるので自分ごととして漁を見守れます。笑

漁の様子を間近で見せていただけます

お宿に戻ったら、なんと特別にナマズの捌き方まで教えていただきました。
ナマズの表面はツルッツルで包丁を入れるのが難しかった…!

初めてナマズを捌きます。真剣!!!!

しっかりサポートしていただいて無事に捌けたナマズをお刺身でいただきました!
プリッとした食感と蛋白だけど上品な白身魚のような甘味を感じられるお刺身。獲れたてだけあって臭みは全くありませんでした。

ナマズのお刺身、初体験!

漁師さんが営むお宿だからこそできる特別体験。琵琶湖って眺めるだけじゃもったいないことを知れました(^^)

②湖北の食文化を学び伝える肥田さん

琵琶湖の食文化を知りたいと願っていたところご紹介いただいた『地産地消の仕事人』肥田文子(あやこ)さん。肥田さんは湖北町食事文化研究会を立ち上げられて、 郷土の伝統食のレシピを紹介した書籍『忘れぬうちに伝えたい 湖北の伝統食・地産食』も出版されています。
湖北の食文化を表現できるおむすびを学びたいということを事前にお伝えしていたところ、なんと7種類ものおむすび具材を準備してくださいました。

いろいろと考えて事前準備をしてくださっていました。

「これもこれもこれも、手作りなんですよ」

日本古来の鮓(すし)の一種、塩漬けしたフナと米を発酵させた『ふなずし』や、揚げた大豆に味噌を和えた『鉄火みそ』、山椒の葉の佃煮などおっとり柔らかな口調で説明してくださる肥田さん。
琵琶湖の郷土食と言っても、湖のどの位置にある街なのかで食文化がかなり変わってくるそう。湖北エリアは冬には雪が積もる程の寒さが厳しい地域なので、今回もご準備いただいた『熟鮓(なれずし)』などの保存食をよく作っていたり、琵琶湖で最も魚が集まるエリアでもあるため湖魚を使った郷土食も多かったりするようです。

手作りの熟鮓を盛り付けしてくれている肥田さん

肥田さんは、このような郷土料理を地域の方々のお宅で教えてもらい、何度も試作をして料理教室で披露したり、書籍のレシピとして記録したりされています。

「『食』っちゅうたら卒業がないんやけ、面白い。やめられんね、ほんっとに大好き。好きなことを見つけて老いるまで育ててきて良かったと思ってますよ」

と言う肥田さん。どの言葉よりも力が込められていました。
肥田さんにとっては日々の食事も研究の時間。何歳になっても毎日が勉強で刺激的だと思えるなんて、素敵すぎます。

郷土食のことを本当に楽しそうにお話ししてくださいました

さて、たくさんのおむすびやおかずが完成したのでみんなでいただきます!
たくさん準備してくださった具材のお陰様で彩り豊かになりました。

彩り豊かなおむすび。「おむすびでお散歩してるみたいね」という声が。

お料理をする場面もずっと見守ってくださっていた旦那様が「美味しい」と何度も言いながら召し上がっているのが印象的でした。

旦那様の「美味しい」もたくさんいただきました!

きっと隣で食事を食べてくれる旦那さんが「美味しい」の言葉を毎日くれるから、肥田さんのお料理好きは加速したんだろうなぁ。
湖北の食文化と、それを伝える温かなご夫婦の愛に触れた時間でした。

お手伝いいただいた皆様もありがとうございました!

③長浜の観音様文化

「地域の観音様を皆んなで大切にする」長浜市にはそんな文化があるそうで『観音の里』とも呼ばれています。

今回訪問した『冷水寺』も地域の方がお堂を管理をしていて、日々拝み、春は観音様と一緒にお花見を楽しむそうです。

観音様にご挨拶させてもらいました

観音様がどんな存在なのか伺ったところ「故郷の母親のような存在」とおっしゃっていたのが印象的でした。側に居てくれるだけで安心する、そんな温かい存在が各集落ごとにいらっっしゃって古来から大切にされ続けている。 観音様をみんなでお守りする中で、きっと地域の絆が深まったり、先人の想いが継承されたりもしているんだろうな。長浜のディープな文化に触れました。

観音様を案内してくださる『観音の里コンシェルジュ』さんもいらっしゃいますので、気になる方はぜひ問い合わせてみてください^^

観音文化について地元の方に学びました

これまで眺めるだけだった琵琶湖。今回の旅を通して琵琶湖と暮らしの関係を垣間見ることができました。独特な文化が面白い!もっと深ぼってみたいな。
日本海おむすび旅 北陸編、最後は加賀市へ向かいます!